Aphex twinすきならVenetian snares
ロンドンの地下鉄にて、2014年リリースの13年ぶりaphex twin名義でのアルバムsyroが、グラミーの最優秀ダンス・エレクトロニック部門アルバム賞を受賞したとの広告が目に入った。
2000年代後半からPOPスターや、近年ではアイドルさえもエレクトロミュージックにノって歌い踊る、嫌な時代。
そしてギャル達がEDM大好きなどと言い出しはしゃぎクラブで踊る時代。
(これはクラブの本質だから良いことなのだが、私はEDMという言葉が嫌いなのだ)
それは極端な例だが、今や万人にうけるコマーシャルなトラックが蔓延しつつある中で、彼のように名が売れても、好きなことをやり続けているアンダーグラウンドなアルバムが受賞するというのはアメリカも結構やるなという一言。
(まず一曲目からacidyで良い。)
あまり電子音楽を聴いてない人でもAphex twinを好きな人って多いよね。
私の友人の寝る前は久石譲を聴いて眠るなんて子にもSyroをオススメすると、彼女のitunesにすらっと入ってしまう程、なんていうか音の厚みが天才的に心地よいアルバム。
92年リリースのセレクティト・アンビエントワークスは、聴くだけで誰もがアンビエントという音楽に興味を持ち、その奥深さに魅せられる名アルバムだった。
オーケストラを聴いているような壮大さを感じつつ、これがアンビエントか!と打ちのめされる名アルバムだった。
ドラムン・ブレークビーツの要素を感じるトラックから、クラシックや民族音楽を彷彿とさせるトラックまで幅広くジャンルレスなAphex twinが、80年後半から90年初頭の電子音楽ムーブメントを網羅し、新たなエレクトロミュージックのパイオニアとして1つのジャンルを確立してしまったような印象さえ受ける。
ちょうど20年前、96年MTVのインタビュー。時代を感じて面白い。
寝転がりながらのラフなインタビューの様子や、インタビュアーが健康的な美人じゃなくてハスキーヴォイスのセクシーなお姉さんなのも90年代っぽくて良い。
(勝手に90年代お姉さんはセクシーだと信じている。)
それより10分13秒に飛んでください。
イングランド南部コーンウォールという、風景の美しいのどかな田舎街として知られる土地は、なぜこのような音楽そしてコーンウォール一派として名を馳せるaphex twinはじめスクエアプッシャーなどのアーティストを排出したのか。
田舎はやることがないし、イギリスは雨が多いから、内に籠もり、いい作品が生まれるんだとはよく聴くが、日本の田舎はやることがないから早く子供を作るのに、なぜイギリスの田舎は音楽が発達するのか。
だが田舎といってもヨーロッパ最大の都会ロンドン出身の素晴らしいアーティストも数えきれない程いるし、やはり田舎のせいではなく暖流と天気のせいなのかも知れない。
ブリストルでトリップホップが生まれたように、
マンチェスターでニューオーダーやケミカルブラザーズが流行ったように、
アイスランドにビョークが住んでるように、
コーンウォールにはAphex twinだっただけの話だ。理由などない。
2015年はスクエアプッシャーはいろんなフェスにでてたね。
2016年もフジロック出演が決まって、今年も勢力的に活動するみたいだよね。
彼のように泥臭さと反対の音楽(と思っている)って、脳への刺激になるような緻密なVJも合わせたインスタレーション感覚で楽しみたいんだ。
だからスクエアプッシャーのパフォーマンスは一度は見てみたいものだが、野外のフェスよりはスペースを把握できる場所で聴きたいなんてのは贅沢か。
話はそれたが、ロンドンのフリー音楽マガジン・ロンドンステレオにのってたカナダ人ヴェネチアン・スネアズが良かったのでオススメしたい。
(昨年12月に公開された、2016ワールドツアーのプロモーション的な映像)
彼の音楽は良い。
音に鋭度があるものの、アンビエント好きならきっとはまるだろう。