talking Quiet

27歳。音・酒好き、猫好き。London在住。UKの音楽を中心にゆるく書きます。

アーティでポップなangel GRIMES!!

昨年でたアルバムart angels聴けば聴く程、はまります。

28歳の女の子が1人で作り上げた音なら、天才ですね。

 

一聴ポップなんですが、何度も聴いていると死ぬ程音が凝っていて面白い。

特に低音の打ち込みが面白いです。

色々な要素を含んだアルバムに彼女の癖のない唄い方と澄んだ声が心地よくマッチして科学反応おこしちゃいましたね。

彼女はもっと実験的な要素が強いアーティストだと思ってましたが、一周してポップに固めてきました。

 

暗い音楽ばかり好んで、この手の音楽はあまり聴かないのですが、

久々にヒット、オススメです。

 

彼女について、

カナダはバンクーバー出身の28歳のシンガーソングライター。

また自身のPVの監督も行なっています。

カナダのアンダーグラウンドシーンで実験的音楽を進化させ、大学時代に始めてセルフレコーディングを行っています。

そして5年間で5枚というハイペースでアルバムをリリース。

アルバムによって別人が作ったかのような、背景の違う音楽性をだしているので初期から聴いてみるのも面白いです。

 

このペースだと、来年あたりもアルバムがでそうですね。

 

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Aphex twinすきならVenetian snares

ロンドンの地下鉄にて、2014年リリースの13年ぶりaphex twin名義でのアルバムsyroが、グラミーの最優秀ダンス・エレクトロニック部門アルバム賞を受賞したとの広告が目に入った。

 

2000年代後半からPOPスターや、近年ではアイドルさえもエレクトロミュージックにノって歌い踊る、嫌な時代。

そしてギャル達がEDM大好きなどと言い出しはしゃぎクラブで踊る時代。

(これはクラブの本質だから良いことなのだが、私はEDMという言葉が嫌いなのだ)

 

それは極端な例だが、今や万人にうけるコマーシャルなトラックが蔓延しつつある中で、彼のように名が売れても、好きなことをやり続けているアンダーグラウンドなアルバムが受賞するというのはアメリカも結構やるなという一言。

 

(まず一曲目からacidyで良い。)

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あまり電子音楽を聴いてない人でもAphex twinを好きな人って多いよね。

 

私の友人の寝る前は久石譲を聴いて眠るなんて子にもSyroをオススメすると、彼女のitunesにすらっと入ってしまう程、なんていうか音の厚みが天才的に心地よいアルバム。

 

92年リリースのセレクティト・アンビエントワークスは、聴くだけで誰もがアンビエントという音楽に興味を持ち、その奥深さに魅せられる名アルバムだった。

オーケストラを聴いているような壮大さを感じつつ、これがアンビエントか!と打ちのめされる名アルバムだった。

 

ドラムン・ブレークビーツの要素を感じるトラックから、クラシックや民族音楽を彷彿とさせるトラックまで幅広くジャンルレスなAphex twinが、80年後半から90年初頭の電子音楽ムーブメントを網羅し、新たなエレクトロミュージックのパイオニアとして1つのジャンルを確立してしまったような印象さえ受ける。

 

ちょうど20年前、96年MTVのインタビュー。時代を感じて面白い。

寝転がりながらのラフなインタビューの様子や、インタビュアーが健康的な美人じゃなくてハスキーヴォイスのセクシーなお姉さんなのも90年代っぽくて良い。

(勝手に90年代お姉さんはセクシーだと信じている。)

それより10分13秒に飛んでください。

 

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イングランド南部コーンウォールという、風景の美しいのどかな田舎街として知られる土地は、なぜこのような音楽そしてコーンウォール一派として名を馳せるaphex twinはじめスクエアプッシャーなどのアーティストを排出したのか。

 

田舎はやることがないし、イギリスは雨が多いから、内に籠もり、いい作品が生まれるんだとはよく聴くが、日本の田舎はやることがないから早く子供を作るのに、なぜイギリスの田舎は音楽が発達するのか。

 

だが田舎といってもヨーロッパ最大の都会ロンドン出身の素晴らしいアーティストも数えきれない程いるし、やはり田舎のせいではなく暖流と天気のせいなのかも知れない。

 

ブリストルでトリップホップが生まれたように、

マンチェスターでニューオーダーやケミカルブラザーズが流行ったように、

アイスランドにビョークが住んでるように、

コーンウォールにはAphex twinだっただけの話だ。理由などない。

 

2015年はスクエアプッシャーはいろんなフェスにでてたね。

2016年もフジロック出演が決まって、今年も勢力的に活動するみたいだよね。

 

彼のように泥臭さと反対の音楽(と思っている)って、脳への刺激になるような緻密なVJも合わせたインスタレーション感覚で楽しみたいんだ。

だからスクエアプッシャーのパフォーマンスは一度は見てみたいものだが、野外のフェスよりはスペースを把握できる場所で聴きたいなんてのは贅沢か。

 

話はそれたが、ロンドンのフリー音楽マガジン・ロンドンステレオにのってたカナダ人ヴェネチアン・スネアズが良かったのでオススメしたい。

 

(昨年12月に公開された、2016ワールドツアーのプロモーション的な映像)

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彼の音楽は良い。

音に鋭度があるものの、アンビエント好きならきっとはまるだろう。

RINGO DEATH STAR、USのシューゲイズ

シューゲイズといえばMY BLOODY VALENTAIN.

名盤といわれるLOVELESS はもちろんのこと、オススメは5曲のみのミニアルバム、you make me realizeだ。

このアルバム抜きにマイブラは語れない。ちなみにレコーディング場所はロンドンはウォルサムストウだそう。

間ライブでのノイズは20分に及ぶこともあり、ずっとノイズシャワーを浴びていたい涙がでる名曲なのだ。

 

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シューゲイズとは、靴を(シュー)凝視(ゲイズ)する。

マイブラが演奏中ずっと下をみていることからついた名称がジャンルになって、マイブラが奏でる様なノイジーなギターや歪んだサウンドにウィスパーヴォイスを指すようになった。

 

当たり前で、シューゲーズといえば80年代のイギリスを真っ先に浮かべるし、はたまた2000年代のジャーマンシューゲイズなんかを思い浮かべる。

だが、シューゲイズがアメリカでも流行ってるらしいなんて聞いたのは、2008年頃。

その代表がリンゴデススター。

ちなみにビートルズのリンゴと、スターウォーズのデススターからとったそう。

単純だが、スターウォーズが公開の度に盛り上がりそうで良い名前。笑

 

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テキサス出身の彼らだが、ベースヴォーカルの美少女のアンニュイな甘い歌声は北欧を歩いているような気分にさせてくれるドリーミーさがある。

3月にロンドンでパフォーマンスするようで大変楽しみである。

マッシブアタック2016

イギリスでしたいことリストの1つ、MASSIVE ATTACKを見るが叶った。

ブリクストンはO2アカデミー。

 

MASSIVE ATTACKは、2年に1度精力的に活動するそうで2016年はその年。

昨年10月に発表したEUツアーはどの会場も開始まもなく売り切れが続出でした。

 

今年早速、MASSIVEの新譜が4曲でました。

 

trickyとのフューチャリングはPVをぜひチェックしてほしい。HIRO MURAIという日本人が監督をしているようだが、彼の作品の特徴はドラッギーな描写が多いが、ストーリー性があり、ダンスや音楽を組み込んでいて面白い。

 

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そして今回の前座を努めたyoung father.

有名どころを抑え、デビューアルバムで英・マーキュリー賞を受賞以来ちらほら名前は見るが、何者なのだろう。

 

スコットランドはエディンバラ出身のヒップホップグループ。

14歳の頃、エディンバラのクラブで出会った三人がすぐに作詞作曲、そしてメンバーの1人の家にあったカラオケマシーンを使い、カセットにレコーディングを始めたそう。現在27歳とまだ皆若い。

 

実際見ると、ヒップホップという感じはしなかった。イギリス特有いやイギリスの北の方特有の神秘的なサウンドとヒップヒップの要素が加わり、彼ら独自のサウンドとなっていた。

ナイジェリアやガーナなどにルーツを持つ彼らのエネルギッシュなステージパフォーマンスは見るものを惹き付けた。

このKEXPでのパフォーマンスも面白いのでオススメ。

 

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MASSIVE ATTACKのPVといえば、名曲pradise circleのPVが面白い。

元ポルノ女優のインタビューと、彼女の当時のセクシーな映像がアーティでなかなか素敵な映像だ。

嫌らしさのないフィルムポルノと元女優がカメラが大好きと繰り返し言うのがシュールである。

規制でYOUTUBEではみれないようになっているようでVimeoで見れます。

 

vimeo.com

 

まだ2016年のフェスのスケジュールが発表されてないが、ぜひもう1度絶対に見たいのである。

 

変幻自在powell

今イーストロンドンを中心に精力的にパフォーマンスを続けているPOWELL。

ダイアゴナルレコーズの創設者であり、昨年夏に日本に初来日を果たし、どみゅーんでプレイしたのも記憶に新しい。

 

190センチ近い長身、瞳孔の開いた目、ルックスは十分な程のクレージーさがある。そんな彼が作り上げるダンスミュージックは独特、そしてなにより彼のダンスフロアはロンドンでも唯一無二のアンダーグラウンドなクレージーさがある。

 

ノイズやパンクをバックグラウンドに感じさせる破壊的な印象のエレクトロニカ。

そしてなによりの特徴は、そんなハードなサウンドでも、ファンクやミニマル、はたまたドラムンフリークの心をも掴む幅広いキャッチーさではないか。

 

ソナー(バルセロナ)など大規模フェスから、CAFEのような小さな場所まで月に一回はパフォーマンスを続けているPOWELL.

突如ラインナップにアナウンスされるケースが多い気まぐれなアーティストなので、フォローしていきたい。

 

 

ジェフ・バーロウ(portishead)のバンドBEAK>

ブリストルに興味を持ったきっかけは、自身PortisheadとMassive attackの大ファンだからだ。

 

好きなアーティストは沢山いるが、人に問われたらこの2つの名前をあげたりする。

古いの知ってるね、渋いねとか、あれ?何歳なの?と返されることが多いが、この2つは私の中で別格なのだ。

そして、この2つを別格扱いしている ’仲間’ にたまに出会ったりもする。

 

ブリストルサウンドという言葉を知り、どっぷりはまり、トリップホップのアーティストを掘っては聴き込んでいた時期があった。

 

死語とも言われるトリップホップ。

なぜならportisheadを始め、トリップホップというジャンルに括られることに嫌悪感を示しているアーティストが多い。

ヒップホップの影響を強く受けて育ったportisheadのサウンドを作っているジェフ・バーロウは、トリップホップはヒップホップを理解していない奴らが作った音楽にすぎないと表現している。

 

 

だが2015年夏イギリスで行われたフェスティバルに、portisheadがヘッドライナーとして発表された際 ‘Legend of triphop’(トリップホップの伝説)と紹介されていたのが印象的だったように、彼らの発言とは裏腹に、ファンの間でトリップホップという響きは愛され、使われ続けている。

 

’ブリストルサウンド’ とは言わないが、少しでもブリストルの音楽文化に触れたいと、 初めて訪れたブリストルでの音楽フェスティバル。

 

今回楽しみにしていたのが、Portisheadのサウンドメーカーのジェフ・バーロウのバンド。

レッド・ツェッペリンのヴァーカルとして有名なロバート・プラントのベーシストのビリー・フラーと、ノイズ・エクスペリメンタルのアーティストとしても活動するMXLXことマット・ラバリッジと結成したバンドBEAK。

https://beak.bandcamp.com

2009年に結成し、2010年に初ツアーを行って以来、定期的にギグを行っている。

面白いのが、2009年リリースのデビューアルバムに収録されている曲は、ブリストルでの12日間のセッションで一気に作られ、オーバーダビング(多重録音)やリピートは一切なしとのこと。

 

TwitterやHPでブリストル出身なことを強くアピールしているから、多分全員ブリストル出身なのだろう。

 

フェスでは、メイン会場のコルストンホール内で2番目の規模のランターンというステージで行われた。

時間になってもなかなかでてこず、オーディエンスに煽られて、ようやくビール片手に3人がでてきた。

彼らのパフォーマンスは軽いセッションでも始めるかのようなリラックスした状態で始まった。

ノスタルジックでノイジー、疾走感のあるサウンドは期待通りだった。


BEAK Boiler Room LIVE Show - YouTube

 

そして3人の挙動が思ったよりクレイジーで面白かった。

1曲目が終わると同時に、ドラムのジェフがトイレにいかせてくれと走ってステージをでていき、それをつなぐ為に一番まともそうなベースのビリーが話しているとき、オーディエンスがなにかを叫ぶとその言葉に反応し、キーボードのマットが怒り、オーディエンスに中指をたてたり、首をきる様な仕草をしながら『FUCK YOU』とずっと叫んでいた。『全員じゃない!お前ら三人だ!』と叫んだり、次の曲が始まってからも、演奏しながら中指をたてたり、ビールを何本も一気したりと、精神不安定そうで見てて面白かった。

 

ちなみに、2010年にBEAKがプロデュースしたANIKAというアーティストも唄がヘタウマで個性的なのでBEAKとともにぜひきいてみてほしい。

 


ANIKA - Live : No one's there / yang yang / i go to ...

30年ぶりのギグ、ポストパンクバンドMaximam Joy.

フェスティバルの楽しみの一つは、‘新しい音楽に出会う’ことだ。

先日ブリストルで行われたSimple things festivalで、良い出会いがあったので紹介したい。

 

メインステージはコンサートホールのような作りで、スタンディングの他座席もあり、18時間行われているだけあって、寝ている人や座っている人も多く大変助かった。

 

アメリカのノイズバンドHealthを見る為に、早めにメインステージの座席に座っていたら、ちょうど彼らの音楽が始まった。

 

Maximam Joy

 

手元のプログラムには、『最後のパフォーマンスから約30年、地元ブリストル出身のポストパンクバンド』と紹介されていた。

ブリストル出身のアーティストのパフォーマンスを地元でみるのも嬉しい経験だ。

 

座って聴いているつもりが、釣られるようにスピーカーの前で踊っていた。

 

ヴァーカル兼キーボード、ギター、ベース、ドラム、サックス。

シンプルな構成。

 

ファンクでグルービーな安定したベースライン。女性ヴォーカルの囁くようなアンニュイな声がノスタルジックに響く。

シンプルな様で実験的な要素が強く、ジャジーであり時に民族的でもある。

全体的に陰があるサウンドはUK音楽好きにはたまらないのではないか。

 


Maximum Joy - Silent Street/Silent Dub (99 Records ...

 

私は友人にthe slitsを教えてもらって以来、どこか民族的な匂いのするポストパンクバンドが好物だ。

ちなみに勘違いされやすいが、ポストパンクとはパンクとは全く別物で、ダンスミュージックであり日曜の昼に聴きたいような心地よいチルアウトミュージックでもある、と思っている。

 

30年前ということは、1970年代〜80年代に活動してたのだろう。

ポストパンクが色々なジャンルから分岐して生まれたのが70年代といわれているので、まさにポストパンク全盛 で音楽活動をしていた時代を知るバンドなのだろう。

 

30年ぶりのギグということで、不安定な場面もあったが、それが生音の良いところで、そんなところまで楽しめた。 

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ブリストルでのMaximam Joyとの出会いは、思い出の出会いとなった。